現場職人に不可欠な「マナー」と「几帳面さ」とは?――建設現場職人のための「クラフツメンスクール」に行ってきました!その②
2021.07.22
建設業に関わる職人の方がたを対象とした、「クラフツメンスクール」という講習会をご存じでしょうか?
「各業種の職人の技術を、若い世代にしっかり継承しよう!」という目的で開催されるこのスクールは、2021年で7年めの開催。
通常の現場で「見て盗め!」とされる職人の技術や心がまえを、現地での実習からしっかり学ぶことができます。
建設現場の職人の仕事において重要な技術はもちろんのこと、心がまえや意識まで、得られることは実にさまざま。
今回の記事では、2021年6月29日から開催されたクラフツメンスクールを当社が受講して学んだことから、職人に不可欠な「マナー」と「几帳面さ」についてお伝えします。
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現場職人に求められる「マナー」の意識とは?
「マナー」というのは、建設現場の職人のみならず、社会人として必要不可欠なもの。
クラフツメンスクールでは、世で当たり前とされる礼儀作法はもちろん、現場だからこそ必要とされるマナーについても、ベテラン職人の講師からレクチャーを受けることができます。
・POINT1 近隣住民の目をしっかり意識しよう!
建設現場には、毎日多くの人間が出入りし、半年から数年という長い間、同じ場所で仕事をすることになります。
工事期間内は、近隣住民と「顔なじみ」の存在となるわけですから、住民の方がたと良好な関係性を築かなければなりません。
建設現場の職人は、ガタイのよさや大きな声から、近隣住民のかたに「乱暴な感じで怖い..」「ガラが悪そう」と思われることもしばしば。
工事というのは、大きな音が発生して近隣に少なからず影響を及ぼすものですから、現場の職人自ら近隣住民にこれ以上不快な思いをさせないよう、気を配らなければなりません。
・POINT2 大声は極力やめよう
よく聞かれるのが、「工事現場の怒鳴り声が怖い」という声です。
現場では大きな音を立てる重機や工具が使用されるので、現場職人としては、それらの音に負けないように大きな声を出さなければなりません。
しかし、事情を知らない一般市民からすれば、「怒鳴っている」と怖がられてしまいます。
会話をするときには、重機や工具のスイッチを切るように心がけましょう。
ちょっとした気遣いですが、これだけで「現場の怒鳴り声」が激減するのです。
・POINT 3 迂闊な言動や態度はやめよう
POINT2 に関連して、職人の会話に関するポイントをもうひとつご紹介しましょう。
作業中になにか失敗を犯してしまったときに、「やばい」「失敗した」などとひとりごとを言う職人のかたは多いのですが、これはNG。
とくに、もしも周囲に施主さんがいれば、大きな不安を与えることになってしまいます。
同様に、仕事中の会話でゲラゲラ笑っている、お酒やギャンブルの話で盛りあがるなども厳禁です。
施主さんからすれば、何千万円も払って家を建てるのですから、「最高の家にしてほしい!」という強い思いがあります。
その家を建てる現場で、職人がふざけていれば、大きな不満を残すことになります。
施主さんのことを第一に考えて、一所懸命仕事に向き合うよう心がけましょう。
・POINT4 現場のものは、すべて大切に扱おう
工事現場にあるものは、基本的にはすべて施主さんや建設会社のものです。
建てるための部材、工具、重機、工事車両..それらは現場職人の所有物ではないことは、意識を徹底しなければなりません。
前述のとおり、施主さんは何千万円もの費用をかけて家を建てるのですから、一つひとつの部材が非常に貴重な材料なのです。
同様に、工具や車両についても、会社から与えられたものである以上、ていねいに扱わなければなりません。
時おり、会社の車両を乱暴に扱う職人も見られますが、それはあくまで「借りもの」です。
貸してくれたことに対する感謝の気持ちを失わないように心がけましょう。
・職人の行動が工事の「出来」や「結果」を大きく左右する!
これらのポイントはすべて当たり前のことではありますが、実際に仕事をしていると、思わず気が緩んでしまいがち。
とくに、職人は集中して現場の仕事に取り組むのですから、周囲の目をついつい忘れてしまうものです。
しかし、近隣からひんしゅくを買ったり、施主さんからクレームが来たりするようなことがあれば、たとえ工事が無事に完了しても大きな禍根を残すことになります。
職人自ら、「数千万円という大きなプロジェクトに関わっている」という厳しい意識を常にもつことが大切なのです。
〈参加した当社社員の声〉
「私は建設会社向け保険の営業担当者なので、職人ではありませんが、仕事が違っても共通する『人間としてのマナー』をあらためて学ぶことができました。たとえば、『2回呼び声がしたら、自分じゃないと思っても1回振り返る』ということは、本当に本質的なことだなと身にしみて感じています。今回の講習は、自分の営業という仕事にも生かせる、良い学びの機会となりました」(法人営業部所属・男性)
現場職人に求められる「几帳面さ」とは?
現場職人に不可欠な要素のひとつが、「几帳面さ」です。
建設という仕事においては、すこしのズレが深刻な被害をもたらす可能性が多く、人命に関わる事故を引き起こす恐れがあります。
・POINT1 1ミリのズレや歪みも許されない!
今回のスクールでは、サイディング作業の一連の流れを学びましたが、サイディング材を貼る作業においては、たった1ミリズレただけで、完成後に隙間ができてしまいます。
結果、苦労して作業を終えても、水漏れが発生してやり直し..ということもありました。
最初の段階で生じたズレや歪みを無視して作業を進めても、完成後には大きな欠陥となって現れるのです。
・POINT2 道具の扱いかたにも細心の注意を!
受講中に頻繁に指導されたのが、整理整頓の徹底。
具体的には、「使い終わった工具や道具はその辺に放置せず、身につけた袋に必ず戻す」ということをたびたび教えられました。
現場で使用する工具や道具は、危険性の高いものが多いので、不用意に放置すると事故につながる恐れがあります。
たとえば、ハサミなどの刃のある道具を日光の下に放置しておくと、劣化が早く、切れ味が大きく損なわれてしまいます。
また、放置した道具を職人が踏んで転倒するというケースも、実際に起こっています。
周囲の人間が安全に、心地よく作業に注力できるよう、一人ひとりが気をつけなければなりません。
〈参加した当社社員の声〉
「タイルを貼る作業では、ほかの受講者さんはどんどん作業を進めていくのに、自分はまったく進まず、タイルがズレてしまう。ズレたまま作業を進めても、完成後に漏水してしまうんです。家というのは一生にいちどの大きな買いものですから、家を注文したかたを後悔させないように、つねに気を引き締めて現場作業に向き合わなければならないということ、出来のよい家をつくるということがいかに困難かということを痛感しました。同時に、ふだんなにげなく目にする家やビルが、職人さんのたいへんな苦労のうえに成り立っていることを身をもって学びました」(法人営業部所属・男性)
まとめ
建設現場の職人のために開催されるクラフツメンスクールでは、このような職人としての姿勢やテクニックを、基本からしっかり学ぶことができます。
いずれも日々の現場で大変な仕事に携わる建設業の職人のみなさまであれば、充分ご存じのことかと思いますが、私たちは本スクールをとおして、建設現場の仕事の大変さをあらためて実感することができました。
そして、保険代理店という立場で職人のみなさまに寄り添い、インフラをつくるという重要な仕事を日夜頑張っておられるみなさまの生活を守るお手伝いをしたいという気持ちを、ますます強めています。
建設業にかかわるみなさまの安全を守ることが、ひいては社会全体の「暮らし」を守ることにつながると捉え、建設業のお仕事についてこれからも勉強し、精進してまいります。
記事「職人に不可欠な「技術」と「心がまえ」とは?――建設現場職人のための「クラフツメンスクール」に行ってきました!その①」も、ぜひあわせてご参照くださせ。