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建設業の残業規制が2024年4月からスタート!おさえておくべき新制度のポイントは?

2021.11.29

 建設業の残業規制が2024年4月からスタート!おさえておくべき新制度のポイントは?|株式会社保険ショップパートナー

2019年4月の労働基準法改正によって、多くの産業で時間外労働の上限規制が定められました。

 

しかしこの改正では、建設業界は上限規制が猶予されていたのです。

 

その猶予期間は、2024年4月にはついに終了し、建設業も時間外労働が規制されることになります。

 

今回の記事では、建設業の残業規制について、会社として知っておくべき要点を解説します。

 

(今回のポイント)

・長時間残業に対する規制が劇的に厳しくなる!

・長時間労働の賃金割増率もアップ!

・しっかりした労務管理と業務効率化の取り組みが必要!

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建設業の「残業規制」とは?

 

現在猶予措置中である、建設業の「残業上限規制」とはどのような内容なのでしょうか?

 

・残業規制のポイントは3つ!

 

まずは、労働基準法の改正(改正労働基準法第36条5項)で変更になったポイントを3つ解説します。

 

変更点は次のとおりです。

 

⦁ 1年間の時間外労働の上限時間が720時間以内に!

⦁ 時間外労働と法定休日労働の合計上限が1か月100時間未満に!

⦁ 36協定対象期間の時間外労働(休日労働を除く)は、原則1か月45時間以内かつ年間360時間以内に!

 

なお、36協定の特別条項を適用して1か月45時間の規制枠を超えられるのは、1年のうち6か月間までです。

 

これらの残業規制に違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が課せられます。

 

・以前の制度との違いは?

 

それでは、以前の労働基準法とはどのように違うのでしょうか?

 

実はかつてから、「1日8時間の通常勤務を超える時間外労働は月に45時間以内、年に360時間以内」という法定労働時間の原則がありました。

 

しかし以前の制度では、年間のうち6か月までの36協定の特別条項適用を受けてしまえば、残業時間の上限はなかったのです。

 

つまり経営者は、労働者を働かせ放題にすることもできたわけです。

 

今回の法改正では、36協定の適用を受けても残業時間の上限を定められるようになったのが、最大の変更点といえます。

 

仮に残業代の割増賃金を払ったとしても、その条件は変わりません。

 

・法定割増賃金も引き上げに!

 

さらに、残業規制が厳しくなるだけでなく、残業代も高額になります。

 

現在、中小企業では月60時間以内の時間外労働における割増賃金率が25%に設定されていますが、2024年の猶予失効後は割増し率が50%の引き上げられるのです。

 

そのため、「少数精鋭」を建前にした人手不足で、社員の長時間労働や休日出勤に頼った経営をしていた企業は人件費が高止まりして、経営はかなり苦しくなるでしょう。

残業規制で建設業の労働環境はどう変わるのか?

 

このような残業規制が3年後に迫っていますが、これによって建設業界はどのように変わるのでしょうか?

 

・経営が苦しくなる会社が多くなる?

 

まず考えられるのは、一部の会社で業績に大きなダメージが発生すること。

 

従業員の深夜・休日労働やサービス残業を前提として、無理な短工期・短納期やダンピング価格で仕事をとってくるのが武器であった会社は、残業規制の強化によって競争力を失います。

 

事業としてのモラルを無視するブラック体質の会社は、施工技術が育っておらず、顧客のロイヤリティも低いです。

 

そのため、まっとうな納期と価格では競争力を失い、受注できなくなる可能性が高いといえます。

 

・法改正にむけて、企業がやるべき3つのこと

 

法改正に向けて企業が取り組むべきは、下記の3つです。

 

⦁ ①労務管理の徹底

建設業は、建設現場への直行直帰や複数現場の掛け持ちなど、さまざまな労働形態があるため、タイムカードの運用が難しく、勤怠管理がしづらい業種です。

 

現状は作業日報で出退勤を本社に報告しているケースが多いですが、残業規制の法律を守れているかどうか把握するために正確な労務管理が必要になってくるでしょう。

 

チャットツールを使った勤務時間の証拠提出を認めるなど、柔軟な対応が求められます。

 

⦁ ②業務改善によるムダの排除

建設業で業務量を削減しようとしても、そう簡単にはできません。

 

特に、施工管理を担当する現場監督などは、日中は現場作業を行ない、その日の現場が終わってから報告書を書いたりするため、長時間残業が常態化しています。

 

したがって、重複している事務作業がないか精査したり、書類作成を簡略化したりなど、会社の決まりやルールを抜本から見直さなければ残業を減らすことは困難でしょう。

 

⦁ ③DXによる効率化

話題の「建設テック」を利用するなど、ICT化によって生産性を上げる可能性も、残業抑制のために検証しなければいけません。

 

ツールを使って簡単に情報を共有する、たとえば「現場ではスマホさえあれば仕事ができる!」という状態になれば、従業員はより効率的に仕事に取り組めるようになります。

 

中小建設業はITツールが導入されていない会社が多いので、この機会にITの活用方法を具体的に考えるよい機会になるでしょう。

まとめ

 

令和に入ってから働き方改革関連法に関する議論はますます活発で、国土交通省や厚生労働省からの締め付けが厳しくなっています。

 

大手の元請け会社だけでなく小さな下請け業者も、いよいよ労働環境の改善を試みなければなりません。

 

働き方改革の推進による労働問題の改善は、若手人材を新しく採用して人材不足を解消するきっかけにもなるでしょう。

 

建設業の未来を明るくするため、残業抑制という課題に真剣に取り組みましょう。

 

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著者:小飯塚隼人(こいづか・はやと)

 

(株)保険ショップパートナー取締役社長。
1983年生まれ。前職は大手損害保険会社にて代理店の営業推進を担当。「お客さまに一番近いところで保険を提案して、もっと喜んでもらえる仕事がしたい」との思いから、万が一のさいは保険でしっかりとお客さまを守る保険ショップパートナーの経営理念に魅力を感じ、2015年3月に同社に入社。同年11月に取締役社長に就任。「建設業をサポートする日本一の会社になる」という志のもと、年間2,000件を超える建設業保険の相談を受けるとともに、安全大会の講師も務める。得意分野は事故対応、事故対策、外装系など。趣味は映画、ランニング。

 

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