工事現場は休みが少ない?キツイ?労働環境の実態を暴く!
2021.05.19
建設業といえば、「休日が少ない」というイメージを持っている人が多いようです。
「完全週休2日制ではないから」「土曜や日曜、祝日の出勤が多いから」といった理由で、建設会社への就職を避ける若者も・・・・。
建設現場は本当に休みが少ないのか? 今後は変わらないのか? その実態を解説しましょう。
(今回のポイント)
①建設業界は長時間労働で、休みが少ない!
②原因は、短工期受注と経営者の古い意識!
③大手企業が率先し、段階的に改革を進める必要がある!
「休みが少ない」は本当か?

建設業界は、他の業界よりも休みが本当に少ないのでしょうか。データを見てみましょう。
・他産業より2割も労働時間が長い!
総務省の「労働力調査」によれば、2019年における全産業の平均労働時間が1734時間であるのに対し、建設業の平均は2048時間。
およそ1.2倍も、建設業界の労働時間は他産業よりも長くなっています。
参考:総務省「労働力調査」
・土日休みを実現できている割合は?
次に、休日数についての実態を見てみましょう。
日建連の「週休二日実現行動計画2019年度通期フォローアップ報告書」によると、「4週8閉所(完全土日休み)」を導入できている作業所は、全体のたった3割。
さらに、「4週5閉所」以下の工事現場は、全体の約4割を占めています。
参考:日建連「週休二日実現行動計画2019年度通期フォローアップ報告書」
・過酷な労働条件はなぜ生まれるのか
以上のように、建設業界が長時間労働で休みが少ない労働環境であるのは、残念ながら事実です。
それには、次の2つの原因が考えられます。
①工期に対する施主からの要請
工事発注側のお客さんである施主からすれば、発注した建物はなるべく早く竣工させてほしいのが本音。
結果、業者選びの際、短工期を提示してくる会社にどうしても心が傾きがちになります。
そのため工事業者としては、土曜日や日曜日も仕事しないと達成できないような工事期間を組まざるをえなくなるのです。
②建設業経営者の意識
最近では、建設会社でも働き方改革に取り組み、なるべく残業や休日出勤が出ないように心がける会社も出てきています。
しかし、高齢の経営者などはいまだに、「社員が休む=売上が減る」という固定観念にとらわれている人が多いのです。
建設業界は特に中小の事業者が多いためにこうした問題は根深く、業界としての労働条件改善は進んでいないという実情があります。
どのように労働環境を改善すべきか

建設業界の労働条件を改善し、若者が入職しやすい環境をつくるには、どうすればよいのでしょうか?
・大手企業が率先して働き方改革に取り組む
建設業界では、ゼネコンなど大手からの下請けとして施工を請け負う業者が多くいます。
下請け業者としては、土日祝日出勤を前提とする工程が元請け会社から提示されれば、従わざるをえません。
すなわち、まずは大元の工程を作成するゼネコンが、しっかりと休日を取れるようなスケジュールを組まなくてはなりません。
現状では、国土交通省などが発注する公共工事をはじめとして、残業代の支払いや社会保険の完備、休日の確保などを入札の評価項目に掲げるケースが出ており、大手ゼネコンの大現場では徐々に労働条件の改善が進んでいるようです。
・段階的に改革する
現場の休みを増やすのが課題といっても、いきなり完全週休2日を実現するのは現実的に難しいかもしれません。
建設会社として可能なアクションとしては、「隔週で土日の2連休を確保する」「作業員や職人が交代で土日休みできるような出勤シフトをつくる」といった策が考えられます。
実現可能な範囲の改革を成功させたうえで、徐々に働き方改革を実現していく努力が必要です。
まとめ

休日や労働時間という基本的な労働条件は、労働者にとっては非常に重要。
経営者が「建設業は休みが少なくて当たり前」といった古い意識を改め、積極的に労働環境を改善すれば、新卒で建設業界を選んだり、他社や他業界から転職してきたりする人は増えるでしょう。
著者:小飯塚隼人(こいづか・はやと)
1983年生まれ。前職は大手損害保険会社にて代理店の営業推進を担当。「お客さまに一番近いところで保険を提案して、もっと喜んでもらえる仕事がしたい」との思いから、万が一のさいは保険でしっかりとお客さまを守る保険ショップパートナーの経営理念に魅力を感じ、2015年3月に同社に入社。同年11月に取締役社長に就任。「建設業をサポートする日本一の会社になる」という志のもと、年間2,000件を超える建設業保険の相談を受けるとともに、安全大会の講師も務める。得意分野は事故対応、事故対策、外装系など。趣味は映画、ランニング。
