元請けからのパワハラ問題について徹底解説!建設業界の下請けいじめの実態は?
建設業の現場は、「元請けから下請けに工事を外注して仕事を進める」という形が基本ですが、両者の間には「受発注」という関係性上、どうしても上下関係が発生します。
そういった背景から、元請けという立場を悪用した下請けに対する「パワハラ」が、多くの現場で深刻な問題となっています。
そこで今回の記事では、元請けから下請けへのパワハラの実態と、「下請けができる対策」について解説します。
(今回のポイント)
・典型的な下請けいじめとして「代金未払い」と「不当な安値発注」がある!
・下請けいじめを禁止する「下請けガイドライン」を知っておこう!
・下請けいじめを受けたら、中小企業庁の「下請駆け込み寺」を頼ろう!
【当社は建設業専門の保険代理店です!】
当社、株式会社保険ショップパートナーは1985年に創業し、
・建設業保険で平均20~30%のコスト削減を実現
・契約後は24時間当社にて事故受付・事故対応
これらが多くのお客様に喜ばれ、2024年3月末時点で法人962社・個人3,710人の方々から保険契約をいただいております。
「元請け会社からのパワハラ」4つの事例
まずは、建設業で起こっている「元請け会社の下請けいじめ」について、4つの事例をご紹介します。
・その① 下請代金が支払われない!
「親事業者からの依頼で工事を完成させたのに、工事代金が支払われない」というのは、下請けへのパワハラで代表的なケースです。
多くの場合、元請け会社の施工担当者から「施工品質が低い」「工事中の態度が悪かった」などといった難癖をつけられ、支払いを渋られます。
そして時には、元請け会社のミスの責任を押し付けられることもあるようです。
中小企業は1件の仕事の支払いが止まるだけで資金ショートする可能性もあるので、非常に深刻な問題となります。
・その② 不当な安値発注!
相場からかけ離れた安い対価での作業を強要するのも、下請事業者へのいじめで多いケースです。
特に、1社からの発注に経営を依存している下請け企業は、安値での発注でも断ることは困難で、金銭的に大きな我慢を強いられますが、「ダンピング価格で受注しなければ今後の取引きを中止する」などと匂わされれば、多くの下請けは圧力に屈してしまいます。
・その③ 不利な支払い条件を押し付ける!
下請けへのお金の支払い条件についても、露骨に元請け優位になっているケースが少なくありません。
たとえば、「支払期日になっても請求額のほんの一部しか支払われない」「割引きの難しい長期手形での支払いになっている」など、下請け業者の資金繰りを圧迫する内容が多いようです。
こうした支払い条件は、下請法がゆるかった時代の名残りで、現在ではかなり改善されていますが、下請取引が長く続いている関係では、いまだに劣悪な支払い条件が残っている例もあります。
・その④ 下請け業者へ利益提供を強要する!
「親事業者の製品を無理やり大量に買わされる」「キャンペーンにカンパを強制される」などといった横暴な要求も、建設業界でよく見られる下請けハラスメントの一例です。
中には、「現場の忘年会費用は業者持ち」という驚くべき事例もありますが、かつてはこうした慣習を当たり前とした取引関係もあったのです。
さらにひどい現場では、「現場監督が業者に自分の車を買わせた」「マイホームを建てさせた」といった悪質なケースも実際に聞かれます。
下請けパワハラへの対処法は?
それでは、ゼネコンなどの元請けからのパワハラには、下請けとしてどう対処すればいいのでしょうか?
・下請法を知っておこう!
下請けいじめに対抗するために絶対必要なのが、下請取引に関する法律の理解です。
中小企業庁は「下請適正取引等推進のためのガイドライン(下請けガイドライン)」という指針を制定しており、この法的ガイドラインではさまざまな下請けいじめが違反行為と定められています。
一例として、今回の記事の前半で紹介した下請けパワハラの事例は、すべて下請けガイドラインで禁止行為に該当しています。
なので、「自社・自分が取引先から受けている仕打ちがガイドライン違反に当たるのか」ということを認識することが対応の第一歩となります。
下請けガイドラインについては、以下のWebサイトで詳細に解説していますので、あわせてご参照ください。
参考:下請適正取引等推進のためのガイドライン
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/guideline.htm
・どこに相談すればいい?
下請けいじめが起きている現状を認識した後は、中小企業庁が設けている「下請駆け込み寺」という相談窓口を利用するのがおすすめです。
下請駆け込み寺では、中小企業の取引上の悩みについて、専門の相談員が質問に答えてくれます。
必要に応じて、近隣の弁護士を紹介してもらうことも可能です。
さらに、相談をすることで中小企業庁から元請け業者に是正勧告や改善要請、また罰金の支払命令をしてもらえる場合もあります。
これは全国の登録弁護士を介して、パワハラを行なう元請けとの話し合いの調停に入ってもらえるのです。
下請駆け込み寺については、下記のサイトも参考にしてみてください。
まとめ
下請けいじめの多くは、元請け・下請けとの間の取引きの中でブラックボックスになってしまっていて、被害を受けている下請けが泣き寝入りせざるを得ない状況になっていることが多いです。
しかし、諦めてはいけません。
国としても下請けパワハラについては強く問題視しており、また今回ご紹介した「下請駆け込み寺」への相談などで問題が解決する可能性もあります。
なので、元請けからパワハラなどのいじめで悩んでいるのであれば、ぜひ行動を起こしてみてください。
そして、当社でも何かお力になれることがあるかもしれませんので、ご相談は無料でお受けさせていただきます。
お気軽にご連絡ください。

著者:小飯塚隼人(こいづか・はやと)
1983年生まれ。前職は大手損害保険会社にて代理店の営業推進を担当。「お客さまに一番近いところで保険を提案して、もっと喜んでもらえる仕事がしたい」との思いから、万が一のさいは保険でしっかりとお客さまを守る保険ショップパートナーの経営理念に魅力を感じ、2015年3月に同社に入社。同年11月に取締役社長に就任。「建設業をサポートする日本一の会社になる」という志のもと、年間2,000件を超える建設業保険の相談を受けるとともに、安全大会の講師も務める。得意分野は事故対応、事故対策、外装系など。趣味は映画、ランニング。
【当社は1985年創業の建設業専門保険代理店です!】
当社、株式会社保険ショップパートナーは1985年に創業し、
・建設業保険で平均20~30%のコスト削減を実現
・契約後は24時間当社にて事故受付・事故対応
これらが多くのお客様に喜ばれ、2024年3月末時点で、法人962社・個人3,710人の方々から保険契約をいただいております。
お客様からいただいた直筆でのお喜びの声も多数掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
>>【直筆お客様の声も多数掲載】当社サービス詳細・ご相談やお見積もりはこちらから