現場はもちろん、従業員個人の車も!「運行管理」はしっかりとできていますか?
2023.12.29
建設業関係者であれば、「運行管理」の重要性は当然、認識していることでしょう。
ただ、現場で使われる車の管理については気を配っていても、意外に見落としがちなのが「従業員個人」の車の管理。
企業の運行管理として従業員個人の車までカバーしなければいけない定めはありませんが、従業員の通勤車が事故を起こせば、雇い主である会社が損害を受ける場合もあるのです。
今回の記事では、会社の車と従業員の車に万全の運行管理体制をしくためのポイントを紹介します。
(今回のポイント)
①自動車の輸送を伴う事業では必ず運行管理者が必要!
②事故が起これば運行管理者が逮捕されるケースも!
③会社の車だけでなく従業員個人の車もリスクヘッジを!
【当社は建設業専門の保険代理店です!】
当社、株式会社保険ショップパートナーは1985年に創業し、
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運行管理者とは?
まずは、現場に必ず配置しなければならない運行管理者の制度について、概要を説明します。
・会社が業務用の自動車を1台でも持っていたら、運行管理者が必要!
貨物自動車や旅客自動車などを使用する事業を営む場合、運行管理者をおかなければいけません。
運行管理者の役割は、車による輸送・運送の安全管理です。たとえば建設業では、生コン車や砂利、残土などを運搬するダンプなどの安全管理が、該当する役割です。
運行管理者は、自動車の保有台数が1台以上29台以下の場合は1人、それ以上は30人につき1人を追加で選任する必要があります。
・運行管理者の条件は?
運行管理者は、適当な社員を任命すればよいわけではありません。
以下の条件のいずれかを満たす人物でなければ、運行管理者にはなれないのです。
① 運行管理者試験に合格している
② 5年以上の実務経験があり、かつその間に所定の講習を受講した
なお、いずれの条件を満たす人物であっても、運行管理者は事業所に常勤している人物でなければなりません。
・運行管理者の仕事とは?
運行管理者が実際に行なう仕事としては、以下のような業務があります。
●運転者の過重労働を防ぐようなシフト配置
●飲酒運転防止のためのアルコール検査
●従業員の交通違反を防ぐための指導
●自動車事故発生時の適切な指示
運行管理者は自動車による事故を防ぐだけでなく、従業員による違法運転の防止まで、多岐にわたる責任を負います。
責任を果たさなかった運行管理者に対する処分は厳しく、事故を招くような管理をした運行管理者は、13時間の特別講習を受ける義務が生じます。
最悪のケースでは、大きな自動車事故に関して運行管理者が逮捕された事例もあるのです。
従業員個人所有の車の事故にも要注意!
ここまでは、運行責任者による会社の車の管理について述べてきました。
しかし、ここで注意すべきは会社の車だけではありません。
「運行管理」という視点でいえば、従業員個人が所有する車が起こす事故も、会社を脅かすリスクになります。
・通勤災害で会社が責任を問われる可能性も!
通勤災害によって従業員が通行人にケガをさせ、損害賠償を支払わなければいけなくなった・・・。
こうした場合、通常は従業員個人が賠償金を支払います。
ただし、従業員に賠償金を支払うだけの経済力がない場合、会社が被害者から肩代わりを要求される場合があるのです。
したがって、「個人の車については関係ない」として管理を怠っていると、事故が起きた際、会社に思わぬ損害が生じる危険があります。
通勤災害については、以下のコラムで詳しく解説しているので、ご参照ください。
参考:事故は現場以外でも発生する! 建設業の通勤災害リスクを徹底解説
・通勤災害による生活破綻から従業員を守るには?
では、通勤災害で会社が損害を被るリスクはどうやって避ければいいのでしょうか?
悲劇を防ぐためには、会社としては次のような対策があります。
①従業員の保険加入状況を確認!
従業員が個人で保険に入っていれば、国の労災保険の範囲を超えるケガをしてもカバーできます。
会社側は定期的に従業員の保険加入状況を調査しましょう。
なかには保険料の未払いや更新漏れで、保険が無効になっている従業員がいるかもしれません。
保険料の支払い状況も、定期的に確認することがポイントです。
②個人の保険を会社で管理!
会社側で個人保険をまとめて管理する方法もあります。
損害保険には「団体扱い」という制度があり、10人以上がまとめて個人保険に加入する場合は、会社が本人の給与から保険料を天引きし、保険会社(代理店)にまとめて支払うことができるのです。
会社の経理には手間が生じますが、団体扱いの場合には「手数料」「団体事務費」といった名目で、代理店から総保険料の3%相当を会社側が受け取れます。
従業員が10人以上いる場合は、団体扱いで会社が保険を管理するのがおすすめです。
まとめ
重機をはじめとするたくさんの工事用自動車を扱う建設業は、絶対に運行管理を怠ってはいけません。
くわえて、現場の車だけでなく従業員個人の車に対しても、運行管理の意識を働かせましょう。
会社と従業員が関わるすべての車が適切に運行されるよう管理することが、想定外の事故で会社が損害を受けるリスクを防ぐ結果につながるのです。

著者:小飯塚隼人(こいづか・はやと)
1983年生まれ。前職は大手損害保険会社にて代理店の営業推進を担当。「お客さまに一番近いところで保険を提案して、もっと喜んでもらえる仕事がしたい」との思いから、万が一のさいは保険でしっかりとお客さまを守る保険ショップパートナーの経営理念に魅力を感じ、2015年3月に同社に入社。同年11月に取締役社長に就任。「建設業をサポートする日本一の会社になる」という志のもと、年間2,000件を超える建設業保険の相談を受けるとともに、安全大会の講師も務める。得意分野は事故対応、事故対策、外装系など。趣味は映画、ランニング。
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